6月に入ると、
スーパーの目玉商品として並ぶ梅。
それを見ると、
梅干し漬けの時期になったな…
と季節を感じますね。
梅干し漬けは、
手間と時間がかかりますが、
来たる夏の塩分補給に
最適な食べ物であるため、
ご自宅で漬けることを毎年の
恒例行事にされている
ご家庭もあるのではないでしょうか。
大事に育てた梅干しですが、
白や黒のカビが
生えてしまうことがあります。
ですが、精魂込めた梅干しを
簡単に捨ててしまうのはもったいない!
元来、保存食であるため、
軽度のカビでしたら、
きちんとリカバリーすれば、
食べることができますよ。
カビの原因を探って、
カビができないためには,
どのような点に注意して
作るべきかをお話しします。
そして、無事に食べられるように、
リカバリーする対処法もお話しいたします。
目次
梅干しにカビ?それとも…?簡単な見分け方
-白っぽいものの正体
▽産膜酵母
梅干しを漬ける上で、
梅酢が白く濁ってしまったり、
白くて薄い膜が
はったりすることがあります。
これは「産膜酵母」です。
産膜酵母とは、
好塩性で好気性の酵母で、
別名「シロカビ」と言われます。
産膜酵母は基本的に無毒です。
発酵食品の中でも
カマンベールチーズのように
わざわざ発生させることがありますし、、
ぬか床に発生した場合は
ぬかの中に押し込んでしまえば済みます。
でも梅干しでできてしまった産膜酵母は、
梅酢の味を悪くしてしまうので、
リカバリーの必要があります。
▽塩
梅酢に白いつぶつぶが
出てくることがあります。
粒を取り出して、触った時に固い場合は、
それは「塩」です。
梅干しをつくる過程で
塩加減が適当ではなかったり、
梅干しを天日干しし過ぎて
水分が抜けすぎたりすると、
浸透圧の調整が上手くいかずに、
塩が出てきてしまいます。
-シロカビと塩を見分ける方法は?
見分ける方法は一つ。
「お湯に溶かしてみる」。
お湯に溶かしてみて、
溶けなければカビ、溶ければ塩です。
梅干しに白いカビが出る原因と、予防法
-白いカビの原因
①梅干しをつくるときに洗う際の
水分が残ってしまい、
乾燥が足りていませんでした。
②金属製の容器を使ってしまい、
錆びてしまいました。
③浸透圧の加減が上手くいかずに、
梅干しが梅酢に浸っていませんでした。
④密閉されておらず、
空気に触れてしまいました。
⑤使った梅に傷が入っていました。
⑥梅の実が完熟していませんでした。
⑦ 除菌が足りませんでした。
-白いカビの予防法
①乾かしたら、梅干しの「へそ」
部分に塩をつけてから瓶に入れます。
②容器は、陶製、ホウロウ、
漬物用のポリ容器を使う。
中蓋は小さすぎない物を選びましょう。
③梅の実を梅酢にしっかり浸します。
また、塩分濃度は
18%以上を守るようにします。
※漬け始めから3日ほどで梅酢が
梅の実を覆います。その後
「土用干し」の日まで毎日
しっかり瓶をゆすって、
梅の実を梅酢につけるように
気を抜かないようにしましょう。
④密閉容器を使いましょう。
⑤傷のない梅を使いましょう
※傷がある梅は、梅ジャムなどへの
加工がおすすめですよ。
⑥全体の80%以上黄熟が占めているような、
熟した梅を使う。
⑦梅の実を洗う時は、
35度以上のホワイトリカーを使いましょう。
容器・中蓋・おもしを熱湯消毒して
乾燥させてから使うようにします。
梅酢や梅干しに白いカビが生えた場合の対処法
①おもしを片側に寄せ、消毒したスプーンやお玉、
またはキッチンペーパーなどで膜を取り除きます。
②おもしを外し、中蓋で押さえながら、
梅酢をボウルに移します。
③取り出した梅酢を、2枚重ねしたガーゼ、
コーヒーフィルター、布巾、
ペーパータオルなどを使って濾します。
そして、焼酎を1/2カップ加えるか、
もしくはホウロウ鍋でしっかり煮立たせます。
④取り出した梅干しはボウルに移し、
35度以上のホワイトリカーがお湯で洗います。
その後、ざるに広げて半日、天日干ししてください。
⑤容器や中蓋、おもしを再度消毒し、
梅酢と梅干を戻して漬け直します。
⑥梅酢が足りていない場合は、漬け汁追加します。
作り方は以下の配分になります。
・梅酢…600ml
・一度煮沸して冷ました水…400ml
・35度以上のホワイトリカー…100ml
比率はお好みで調整してください。
捨てるか捨てないかの見極め方
大事に育てた梅干しを捨てるのは
もったいないと思いますが、
腐ってしまったものは
体に害があるため、
潔く捨てなければなりません。。
捨て時の見極め方をお教えします。
-梅酢の捨て時
梅酢が濁るほどひどい症状であれば、
その梅酢はもう処分して
新しく漬けなおしましょう。
-梅干しの捨て時
①梅干しをホワイトリカーや
熱湯で洗う際に、皮が破けたり、
ズルっとむけるようであれば捨てます。
②梅干しの表面だけではなく、
中までカビが生えた場合は捨てます。
梅干しに生える黒カビの原因と予防法、そして対処法
-黒いカビの原因
①皮膚のたんぱく質が入り込んだ。
②洗剤が残っていた。
③予防漬け込む時に雑菌が入った。
-黒いカビの予防法
①ゴム手袋を使う。
②しっかり水洗いをする。
③白カビ同様、除菌をしっかり行う。
-黒いカビが生えた時の対処法
カビが生えた部分を取り出して捨てる。
白カビと一緒で広範囲だったら捨てる
梅干しのカビは縁起が悪いってホント?
梅干しにカビが生えると
不吉な事が起きると言われています。
昔、梅干しにカビが生えることは
あり得なかったため、
普通ではないことが起きたことから、
「不吉」
と言われるようになったとされています。
なぜ、昔は梅干しにカビが
生えなかったのか。
それは、保存食としての
役割が高かったため、
塩分濃度を高く作ることが多く、
腐ったりすることがなかったためです。
現在では、保存食としてだけではなく、
食べる楽しみの一つに
梅干しをつくるため、
より健康的な塩分濃度でつくるので、
カビが生えてしまうのです。
カビが生えてしまっても、
不吉ではありません。
小さなカビなら、
適切にリカバリーしてあげてくださいね。
まとめ/カビが生えても諦めない!早急な対処で美味しい梅干しを食べよう!
梅干しにカビが生えてしまって、
がっかりされたあなた。
早急な対処をすれば、
美味しく食べることができます。
梅漬けの季節は6月。
梅雨の時期ですから、
カビの生えやすい時期です。
土用干しを迎えるまで、
気を抜くことなく梅雨を乗り越えましょう。
土用干しの日まで毎日ゆすることと、
2~3日に一度はカビが生えていないことの
確認をしましょう。
小さなカビでも見つけたら
即対応することが大事です。
そして、無事に梅雨があけたら
土用干しをしましょう。
「土用干し」とは、
3日間直射日光をあてて
しっかりと水分を抜いて、
梅干しを仕上げる最後の工程です。
手や容器をしっかり除菌して
取り組みましょう。
丁寧に丹精込めて育てた梅干しを
美味しく召し上がってくださいね。